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1ビットから見る画素と拡大縮小の話

一時期コンパクトデジカメにおいて画素数の高さが文句にされたのは、画素数=きれいという認識が有る人が多かったという理由があるように、画素に対してボンヤリと抽象的に考えがちです。

ところで、Web表示用途においては、いたずらに大きい画素の画像はメリットにはなりえません。

 

画像処理技術といった難しい話はさておいて、そのような専門的な話をするまでもなく、Windows標準のペイントソフトを使ってそれを確認することができます。

 

逓倍以外、拡大加工は情報を失う

ここに 2×2 bit の画像があります。これを 10%  拡大したいとします。それは不可能ですね。 「2.2bit」の切り捨てなので 2bit 、つまり拡大できません。

そこで 50% 拡大させるとします。それなら 3×3 bit の画像になりますね。そうすると、

元の画像ではなくなっています。

なぜそうなるかといえば  1bit を 1.5倍することはできないからです。

これは何を意味するかというと、  画像の拡大は 逓倍 以外は、元の情報は保証されない。ということです。2×2ではわかりづらいので、4×4 でも見てみましょう。

これを 50% 拡大すると、

崩れています。これはビットマップです。これを JPEG で保存したらどうなるでしょう。

なんと全体な色合いまで変わってしまいました。画素数が低すぎるため、圧縮技術がかえって裏目に出てしまいました。

 

 

縮小加工は情報を失う

では 4×4 のカラフルマスを今度は 50% 縮小してみましょう。

このとおり情報を失います。これを補完したくとも、元のカラフルを相当捨てさっていますので、どうしようもありません。

これは極端な例ですが、縮小は情報を保証しないということです。

 

Web表示画像について考えてみる

 

逓倍以外の拡大加工、縮小加工は元の情報を保証しない、というのは、これはいかなる圧縮・補正技術があろうと変わらない原理です。

 

逆に言えば、拡大は逓倍しかしない、縮小はしない、という手法がとれるなら、情報は保証され、それが理想であるということです。このことから Web 表示においては画素数がいたづらに高いことは、メリットにならないことがわかったと思います。

 

高画素はポスターのために

ただしポスター印刷など面積の大きい媒体で表現する場合には、高画素カメラ・プリンタの意味が発揮されます。

ただしその場合も、上記の拡大・縮小の原理があることには変わらぬため、これを考慮したうえで、 DTP原稿を作らねば、高画素の効果が失はれるといふことです。

 

念のため

この記事は画像圧縮を否定するものではありません。あくまでも画像の(逓倍以外の)拡大・縮小の加工は、元の情報を保証しない、という話であります。